決算の時に税理士事務所が特に確認すること~期ずれ~
こんにちは。札幌の税理士吉田です。
ご自分で申告されている方にご相談を受けることがたまにあります。
その時に、「期ズレ」の話を必ずしますが、半分以上の方が「期ズレ」を正しく処理できていませんでした。
期ズレとは?
期ズレとは、今期になるのか?来期になるのか?という話です。
例えば個人や12月決算法人の場合、
・12月中に商品を納品して請求書も出している。
・お金が入金されたのは翌1月。
この場合に、「1月の売り上げに計上」されている方が多く見受けられます。
会計や税法の世界では、入金日で売上を計上しません。
この場合は、12月に商品を引き渡してるのだから「12月分」の売上と認識されます。
この入金がたとえ2か月後でも半年後でも1年以上入金がなくてもです。
期ズレをきちんと処理するためには請求書を見ること
帳簿はお金の流れを記録するものなので、よく見るものとして、
・領収書
・通帳
この2つが挙げられます。
しかし、この2つだけでは期ズレはわかりません。
そこで「請求書」の出番です。
請求書にはいつ分の売上なのかとか、いつ納品されたとか、通常の場合は書いています。
これを見て、いつの売り上げに計上するのか、一つ一つ確認していくのです。
いわゆる「売掛金」を認識するっていうやつです。
ずっと入金が無いときはどうする?
このときは「貸倒損失」の出番です。
貸倒損失については、税法で細かな取り決めがあり、きちんと適法に貸倒損失と処理してもいいかどうか検討する必要があります。
貸倒損失で処理できそうなら、そこで初めて経費(損金)にできます。
つまり、
・1期目 売上を計上
・2期目 入金なし
・3期目 入金がないため貸倒損失を計上
ということになれば、1期目にまだ入金されてもいない売上分の税金を先払いすることになります。
逆に3期目は貸倒損失という経費(損金)が増えるので、税金が減るんですけどね。
きちんと与信管理(取引先が倒産しないかどうかなど)をしっかりと見極めておくべきでしょう。
特に新規取引先に関しては、前金でもらったり、しっかりと事前調査しましょう。
売上以外の期ズレ
売上以外にも期ズレはたくさんあります。
・電話代、電気代などの公共料金も、当月分が翌月引き落としになったりする。
・前金でもらった時は、前金をもらった時の売り上げではなく、商品を引き渡した時などの売り上げになる。
・銀行保証料や長期の火災保険など、何年分も一括払いするときは、月数で按分していく。
・仕入れたけどまだ売れてないものは、在庫として仕入原価から除外する。
などなど、決算書作成の大半が、この期ズレとの闘いなのです。
めんどくさいとは思いますが、期ズレを認めることになると、税金を減らしたいがために入金してもらうタイミングを後にしたり、支払うタイミングを先にしたり、色々な操作ができてしまうのです。
もちろん税務調査での否認項目の多くはこの期ズレです。税務署としても追徴課税を取りやすい項目になるので、目を光らしています。
きちんと期ズレ処理していきましょう。
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